X68030 / 040turbo / 060turbo のキャッシュとパフォーマンス
当時のユーザーには周知なこと(!?)なので情報が無く 030/040/060でゲーム等を起動した場合にちゃんと速くなっているのかよく判らず 今更ですが設定方法等、確認してみました。
※SI(System Informationソフト)のperformanceの数値です。
結論から・・・
・SRAMにキャッシュonの設定が必須
・040turbo、060turboともキャッシュoffだと 030のキャッシュ onより遅い
・040turboでは 040SRAMpatchが必須(パッチされないとonにならない)
・060turboでは060turbo.sysの登録がなくても そこそこ速い
1.パフォーマンス比較
キャッシュ状態別(起動時)のパフォーマンス。
※左から、processor, system, machine performance
・030(25MHz)
(1)instruct/data=off: 261.59% 177.81% 176.13%
(2)instruct/data=on : 554.13% 177.82% 176.61%
・040(25MHz)
(1)instruct/data=off: 345.41% 175.78% 175.25%
(2)instruct/data=on :1672.83% 177.82% 177.65%
・060(50MHz)
(1)ss/bc=on, sb/i/d=off: 413.36% 177.81% 177.32%
(2)ss/bc/i/d=on, sb=off: 818.65% 177.82% 177.52%
(3)ss/bc/sb/i/d=on :13349.22% 177.82% 177.34%
030のキャッシュonが基準になると思います。
040/060でキャッシュが”off”だと030のキャッシュ”on”よりも数値が落ちています。
なので040/060使用時にはキャッシュonにしないと意味なし(?)。
※パフォーマンスは特に平均をとったわけではありません。多少バラつきがあると思います。
2.起動別 キャッシュの状況
まず、SRAMに cache on 設定をすることが必要。以下、前提となる。
方法:Human68k(command.x)上で “cache.x on s”とする。
・Human68k(v3.0x)を起動した場合
030:instruct/data=on 030(2)の状態(554.13%)
パッチ(040SRAMpatch, 060turbo.sys)なし
040:instruct/data=off 040(1)の状態(345.41%)
060:ss/bc/i/d=on, sb=off 060(2)の状態(818.65%)
パッチ(040SRAMpatch, 060turbo.sys)あり
※040SRAMpatchはHuman68k v3.01, v3.02 にのみ対応
※060turbo.sysはHuman68k v3.02 にのみ対応
040:instruct/data=on 040(2)の状態(1672.83%)
060:ss/bc/sb/i/d=on 060(3)の状態(13349.22%)
・Human68k(v2.15)を起動した場合
030:instruct/data=on 030(2)の状態(554.13%)
パッチ(040SRAMpatch, 060turbo.sys)なし
040:instruct/data=off 040(1)の状態(345.41%)
060:ss/bc/i/d=on, sb=off 060(2)の状態(818.65%)
パッチ(040SRAMpatch)あり
040:instruct/data=on 040(2)の状態(1672.83%)
060:060turbo.sysは登録不可
※F3~F5(XFではない)で起動すると040SRAMpatchでのパッチがされる。
※”040SRAMpatch”のv2.77だとなぜか”on”にならなかったのでv2.74を使用
参考:キャッシュの表記
SIでの表示(ドキュメントより)
68020~68040
instruct 命令キャッシュ
data データキャッシュ
68060
ss スーパースケーラ
bc ブランチキャッシュ
sb ストアバッファ
i 命令キャッシュ
d データキャッシュ
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