MC68060 (LC/EC)について
MC(XC)68060 (PGA)について NXPのサイトのドキュメントを基本として簡単にまとめてみました。
・NXP MC68060: Superscalar 68K Microprocessor
フルスペック:68060のフルスペック版(以下 FL)。シルクでは単に”68060”
LC:FPUなし。シルクでは”68LC060”
EC:MMU, FPUなし。シルクでは”68EC060”
FL版
mask prefix
0F43G XC rev.1 0.5µm
1F43G XC rev.1 0.5µm
1G65V XC rev.5 0.5µm errata F6を修正, 末尾に”A”
0E41J MC rev.6 0.42µm 既知のerrata 全て修正, MCに変更
1E41J MC rev.6 0.35µm
1G65V(rev.5) 71E41J(rev.6)
LC/EC版
mask prefix
1F43G XC rev.1 0.5µm FL版をLC/ECとして出荷
1G65V XC rev.5 0.5µm FL版をLC/ECとして出荷
2G59Y XC rev.4 0.42µm 既知のerrata 全て修正, 末尾に”E”
3G59Y MC rev.4 0.35µm MCに変更
75G59Y(rev.4)
※初期のLC/ECはフル機能060のシルクだけ変更(LC/EC)して出荷。
※記載は見当たらないがリビジョン(rev)はエラッタ(errata)を修正した場合に更新されていると思われる。
※Wikiや他のサイトでは 0.6µmや 0.32µmと言う数値を見かけるがドキュメントを見る限り出てこない。
公式のサイトおよびドキュメントで確認できるMC(XC)での周波数は以下の通りです。
※リビジョンは不明です。また、最後にAなどのアルファベットが付く場合がありますが詳細は不明です。
FL:RC50, RC60
LC:RC50, RC60, RC66, RC75
EC:RC50, RC60, RC66, RC75
と言うことで FL版のrev.5より LC/EC版のrev.4のほうが世代的に新しいようです。
060turboの秘密モード(75MHz)目的であれば FL版(rev.6)または LC版(rev.4)が必要なのではないかと思います。オリジナルの060turboが出た頃はFL版(rev.5)50MHzのようなのでFL版での75MHzはそもそも厳しかったような気がします。もしくはLC版(rev.4)かな??
CPUは(大雑把に言えば)同一世代(ここでは同一mask)の製造工程は、周波数での違いはなく完成後のテストで周波数の振り分けがされていたようです。表記される周波数は保証されますが表記以上が必ずダメという訳ではなく、例えば 販売戦略等で 高い周波数のテストをせず低い周波数テストのみで出荷、高い周波数でのテストをパスしてても低い周波数表記で出荷、等(?)。
以下のサイトに真偽は判りませんがオーバークロックについての記載もあります。
・amigawiki 68060 Masken und Fakes
公開されているドキュメンには情報が無いmaskや周波数も あるようですが詳細は不明です。
以下の情報は次のサイトから公式の情報からは確認できないが参考になりそうだと個人的に思ったものです。
・CPU-World Motorola 68060 processor family
・The LaST upgrade FAKE 060 CPU
・English Amiga Board 68060 numbers
mask
FL版: 01F43G, 01G65V, 71E41J
LC/EC版: 01F43G, 02G59Y, 73G59Y, 75G59Y
左下の数字
S23328-002 FL版(モトローラ?)
S23328-003 LC/EC版(モトローラ?)
S23328-005 LC/EC版(フリースケール?)
S23328-006 FL版(フリースケール?)
mask下 文字列内の数字4桁は製造年と製造週
例:QEBM9726A 1997年 第26週製造
ロゴマーク
2004年頃からフリースケール(モトローラの半導体部門が分離)での製造となってロゴも変更になってます。
※これらが一致していれば本物、一致しなければ偽物と言う確証ではありません。
その他
「060turbo と MC68060 のバグ(errata)」
「MC68060 と偽物(FAKE) と返品・返金」
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