060turbo の秘密モード(75MHz)

※060turbo Replica、100turboで確認したものです。
※他の環境で同じように動作する保証はありません。
※秘密モードを推奨するものではありません。

 75MHz動作に最も必要なのは高クロック対応のCPUかと思います。高クロック対応かは シルクの周波数表記より SI(システム情報表示ツール)で確認できる リビジョン(Revision)で判断するのが良いかも。
 以下のサイトに(真偽は不明ながら)オーバークロック上限情報が mask(右上のシルク表記)別でありますので参考になると思います。maskが判らない場合(リマーク品等)でもリビジョンなら確実です。
amigawiki      68060 Masken und Fakes

所有している68060で秘密モードを試した感じでは この情報と同様な結果になっていると思います。
 (1)68060          rev.1 起動途中にエラーで正常動作しない。
 (2)XC68060RC50A 01G65V rev.5 起動途中にエラーで正常動作しない。
 (3)68LC060         rev.4 問題なさそう(?)
 (4)MC68LC060RC50 75G59Y rev.4 問題なさそう(?)
 (5)MC68060RC50  71E41J rev.6 問題なさそう(?)
 ※(1)と(3)はシルクが偽装(リマーク品)されているので周波数、maskは不明。
75MHz動作させたい場合 MC68060ならRev.6MC68LC060ならRev.4が必要かなと思います。
残念ながら 現状 FL版Rev.6を入手するのは困難に思いますので これから入手するなら世代の新しめのLC版が良いかもしれません。
参考MC68060 (LC/EC)について」「MC68060 と偽物(FAKE) と返品・返金

 もちろん 060turbo 自体(のパーツ)が 75MHzに対応できていない場合もあります。060turbo Replicaは75MHzでほとんど動作しませんでしたが 一部のパーツを交換すると動作する可能性があることが判りました。

75MHzに関係するIC
 060turboはCY7B991とispGAL22V10で高クロック(75MHz)を作っているようです。ここがかなりシビア(?)で同スペックのICでもロットが異なる、個体差等(相性?)で75MHz起動に影響してます。
 安易な考えで、ここのICに高スペックなものを使えば良いのでは?と思ったのですが ispGAL22V10は既に最上位のものを使用していますし、CY7B991は上位(?)と思われるモノを使ってみましたが、こちらは全くダメでした。そもそも仕様書は英語ですし内容を理解できていないので置き換え可能なのかも判りませんが・・・

ispGAL22V10 と GAL22V10
 たまたま知ったのが ispGALとGALは書き込み方法が異なるだけで相互に置き換え可能なICということでした。そして ispGAL22V10の GAL版には 仕様上 ispGALより上位のものが存在していたので 試しに使ってみたところ 割と安定して動作しているようです。ただ、前述の通り CY7B991もクロックに関係するので個体差や相性等あると思います。
※たまたま相性(?)が良かっただけの可能性もあります。
※オリジナルの 060turboは形状(SSOP)が異なるのでGALは使用できません。
 75_1 75_2

SIMM(メモリ)について
 残念ながらSIMMについては別のIC(主にispLSI1016)が関係していて認識されなかったり、認識されても熱を持つとダメ(エラー)になったりして ちょっと厳しいようです。
※ispLSI1016(TQFP)は最上位のモノが使われています。LSI1016と言うのは無い。。

R17(チップ抵抗)
 オリジナルの 060turboのドキュメントによると 寒冷時の起動不良対策として R17を取外す改修をしていたため 060turbo Replicaでは最初から付けていません。
 ただ、50MHz動作では問題ありませんが 75MHz動作ではR17が付いていないとクロックが安定しないようなので付ける必要がありそうです。
※100turboでは R39
 R17 R39

パーツへの負荷と冷却
 75MHz動作でも X68030本体への負荷は50MHz時と(それほど)変わらないのかな?(根拠なし)と思いますが、060turboの各パーツへの負荷は大きくなると思います。68060自体もオーバークロック動作していると思うので 負荷が大きくなってるはずですし、他のICも同様です。十分に冷却することができれば使い続けることも可能かもしれませんが、どうなるかは判りません。。

50MHzと75MHzの切り替え
 ディップスイッチの”4”の足にコードを付けてスイッチを外に出せばカバーを閉じても切り替え可能です。ディップスイッチの”4”はOFFにしておきます。
 また、75MHz動作時にのみSIMMを使わないようにしたい場合は 060turbo.sysで”-lz”オプションを付ければ良いようです。
 sw_1 sw_2

内蔵メモリと拡張メモリをテスト
 “Memtest68k”と言うメモリ テストツールで75MHz動作時のメモリをチェックしてみました。熱等で不安定になった場合メモリテストでエラーが発生する可能性があります。
 所有機での結果は内蔵メモリは大丈夫でしたが拡張メモリは2つテストして2つ共エラーが発生しました。50MHzでのチェックではエラーは出ません。個体差等あると思いますが75MHz動作時は内蔵4MBだけの使用が良いようです。なお、このツールでSIMMのテストは出来ません。

本体クロックアップでの秘密モード(90MHz)の実験
 条件が揃って運が良いと 90MHzでも短時間ながら動作。X68030本体もクロックアップされていて負荷が増えているのでX68030本体にも良く無いですね。。
※Winner2r4のDMA転送速度が遅いのはSIMMが認識されてないためです。。
 90_1 90_2 90_3

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