ArdSCSino-stm32 を改良してみた (その2)

前回「ArdSCSino-stm32 を改良してみた」を 更に改良

<関連>
SCSI / SASI エミュレータ の ArdSCSino を導入
X68000 / X68030 で ArdSCSino を使う
PC-9801 / 9821 で ArdSCSino を使う

主な改良点とメリット
SDカードに直接書き込んだファイルの ファイル交換に対応
・イメージ内にファイルを入れる必要が無く 通常のSDカードによるファイル交換ができる。
・MO相当なので MOドライブが使える機種(ドライバ利用等)であれば利用可能だと思います。X68、PC98、FM TOWNSで動作を確認済み。

使用方法
1.microSDカードにパーティションを2つ作る
 Windowsであれば”ディスクの管理”等で作成します。
第1パーティションをファイル交換用として2GB以内で作成、FAT形式でフォーマット
※容量によっては上手く認識しないかもしれません。980MB、1980MBでテストしてます。
第2パーティションには残りの容量を割り当てFAT32形式 または exFAT形式でフォーマット
※microSDカードによっては上手く認識しないかもしれません。他のカードで試してみて下さい。
 1_ 2_

2.第1パーティションはファイル交換用に使用

3.第2パーティションにHDDイメージファイル等を入れる
 ArdSCSinoで使用する 通常のHDDメージ、設定ファイルを入れます。
第1パーティションを認識させるために、空(0バイト)のテキストファイルを作成します。
(1)X68,、FM TOWNSの場合
画像のように SD50_IN.TXT として作成します。
※SCSI ID は 環境に合わせて変更可能です。
 3_68

(2)PC98の場合
画像のように SD10_NEC.TXT として作成します。
※SCSI ID は 環境に合わせて変更可能ですが HDD のSCSI IDと連番にする必要があります。
※”_NEC” を指定すると起動時に 第1パーティションを認識させない状態となります。
PC98では起動時に 第1パーティションを認識させると起動できない場合があるための対策です。”_IN” にすれば 認識状態での起動となります。
 3_98

4.パソコン起動後について
(1)X68の場合
  SUSIE等のドライバが必要です。ファイル名等 通常の MO使用時と同様の制限があります。X68側で小文字のファイル名で作成したファイルはPC(Windows等)では使用できない等があります。
TwentyOneの常駐、設定が必要かもしれません。JMMCSCSI(※1)と同様?
susie     http://retropc.net/x68000/software/disk/scsi/susie/
TwentyOne  http://retropc.net/x68000/software/disk/filename/twentyone/
(※1)JMMCSCSIは ArdSCSinoの開発者 たんぼ(TNB製作所)さん作の“Joystickポート接続のマルチメディアカードリーダライタの「MMCじょい君」の仮想 SCSI ドライバ”です。
TNB製作所(twitter)        http://tnb216.html.xdomain.jp/

(2)PC98の場合
 MS-DOS 5、6ではドライバが不要です。※6のみ確認
”_NEC” で起動した場合 第1パーティションが認識されていない状態です。(認識状態では98の起動ができなかったため)
 MO.EXE、EJ.COM 等で MOの取出し命令を一度実行すると使用可能となります。
MOUTY  https://www.vector.co.jp/soft/dos/util/se012423.html
EJ     https://www.vector.co.jp/soft/dos/hardware/se018923.html
※EJを使用する場合はASPIマネージャが必要です
・HENRRY  https://www.vector.co.jp/soft/dos/hardware/se000679.html
 Windowsでも使用可能です。同様に右クリックからメディアの取出しを一度 実行する必要があります。
 リセットボタンでリセット起動が出来ない可能性があります。(起動時の制限に同じ)。ArdSCSinoの電源を入れ直して下さい。

(3)FM TOWNSの場合
 ドライバが必要です。MS-DOS + KUMADSK.SYS で動作を確認できました。
HDD/MOドライバーKUMADSK バージョン3.0 http://www.purose.net/befis/download/

改良版ファームウェアについて
ArdSCSino-stm32 を改良してみた (その3)」に置いてあります。



余談:SDカード直接アクセスについて
 SDカードと言ってもFATでフォーマットすれば、FAT自体は Human68kやMS-DOSでもお馴染みの形式。 なので、FAT領域だけ Human68k、MS-DOSに認識させたところ (知識もサンプルも無かったので時間かかりましたが)期待通り使用可能でした。
 MO形式にしたのは、リムーバル可能なのでホットスワップも実現可能と考えたためで、嬉しいことに640MB以上でも(標準は2048bytes/sectorですが)512bytes/sectorで使用可能でした。
 実MOの 640MB~2GBも 512bytes/sectorでフォーマットできれば230MBのMO感覚で使えるということですね。


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